陸上競技

MGC出場者のマラソンシューズから危惧する日本メーカーの危機

投稿日:2019年5月7日 更新日:

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MGC出場権獲得者が確定しましたね。

 

東京マラソンへの選考レースであるMGC。

実力者はほぼ決めてきました。

 

MGC出場を決めた選手たちはどんなシューズを履いていたのでしょうか?

ナイキヴェイパーフライがどんどんシェアを拡大しています。

日本のメーカーは?

 

MGC出場者のシューズから見える、勢力図を調査ししましたので紹介します。

 

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MGC出場者に見るマラソンシューズ|男子編

MGC出場者のマラソン自己ベストタイムと、シューズの関係について調べてみました。

マラソン選手にとってシューズは唯一の武器となるものです。昔から愛用しているメーカーのまま使い続けている選手やMGC出場を目指して、契約メーカーを変更した選手まで様々ですね。

マラソンシューズの革命が起きている今日、果たしてどの選択が正しいのでしょうか、私なりの見解を紹介します。

 

まずはMGC獲得者一覧です。(MGC獲得順)男子

選手名 所属 自己ベスト 獲得タイム 獲得レース シューズ
村澤明伸  日清食品グループ 2:09:47 2:14:48 北海道2017 ミズノ
大迫傑  Nike ORPJT 2:05:50 2:07:19 福岡国際2017 ナイキ
上門大祐  大塚製薬 2:09:27 2:09:27 福岡国際2017 ミムラボ
竹ノ内佳樹  NTT西日本 2:10:01 2:10:01 福岡国際2017 アシックス
園田隼  黒崎播磨 2:09:34 2:09:34 別府大分2018 アシックス
設楽悠太  Honda 2:06:11 2:06:11 東京2018 ナイキ
井上大仁  MHPS 2:06:54 2:06:54 東京2018 アシックス
木滑良  MHPS 2:08:08 2:08:08 東京2018 ミズノ
宮脇千博  トヨタ自動車 2:08:45 2:08:45 東京2018 アディダス
山本憲二  マツダ 2:08:42 2:08:48 東京2018 ナイキ
佐藤悠基  日清食品グループ 2:08:58 2:08:58 東京2018 ナイキ
中村匠吾  富士通 2:08:16 2:10:51 びわ湖2018 ナイキ
川内優輝  埼玉県庁 2:08:14 2:10:53 ワイルドカード アシックス
岡本直己 中国電力 2:11:29 2:11:29 北海道2018 ナイキ
谷川智浩  コニカミノルタ 2:11:39 2:12:02 北海道2018 アシックス
大塚祥平  九電工 2:10:12 2:12:07 北海道2018 アシックス
中本健太郎  安川電機 2:08:35 2:12:54 北海道2018 アシックス
藤本拓  トヨタ自動車 2:07:57 2:07:57 シカゴ2018 アディダス
服部勇馬 トヨタ自動車 2:07:27 2:07:27 福岡国際2018 ナイキ
山岸宏貴  GMOアスリーツ 2:10:14 2:10:42 福岡国際2018 ナイキ
福田穣  西鉄 2:09:52 2:10:54 福岡国際2018 ナイキ
二岡康平 中電工 2:09:15 2:09:15 別府大分2019 アディダス
橋本崚 GMOアスリーツ 2:09:29 2:09:29 別府大分2019 ナイキ
岩田勇治 MHPS 2:09:30 2:09:30 別府大分2019 ナイキ
堀尾謙介 中央大 2:10:21 2:10:21 東京2019 ナイキ
今井正人 トヨタ自動車九州 2:07:39 2:10:30 東京2019 ニューバランス
藤川拓也 中国電力 2:10:35 2:10:35 東京2019 ナイキ
神野大地 セルソース 2:10:18 2:10:41 ワイルドカード ニューバランス
山本浩之 コニカミノルタ 2:09:12 2:10:33 びわ湖2019 アシックス
河合代二 トーエネック 2:10:50 2:10:50 びわ湖2019 ナイキ
高久龍 ヤクルト 2:10:03 2:10:53 ワイルドカード ナイキ
荻野皓平 富士通 2:09:36 2:09:56 ワイルドカード アシックス
一色恭志 GMOアスリーツ 2:09:43 2:10:33 ワイルドカード アシックス
鈴木健吾 富士通 2:10:21 2:10:59 ワイルドカード ナイキ

MGC出場権獲得者は男子34名と想像以上に多いのが第一印象。

 

箱根駅伝からマラソンへという流れがようやく本格的に動き出してきた感じですね。東京オリンピックの影響ももちろんですが、これほど多くのサブテンランナーが出たのも初めてじゃないですか?

MGC出場者のマラソンシューズについて調べてみた。

MGC出場者は34名。

その選考レースで履いていたマラソンシューズを調べてみました。ビデオや雑誌などの画像をもとに調べましたので間違っていたらご指摘ください。

MGC出場者の約半数がナイキ!続いてアシックス、アディダスと続きます。

 

やはり、ナイキヴェイパーフライの影響は大きいようですね。

 

MGCを獲得するためにシューズメーカーを変えた選手も見かけます。

中でも驚きは佐藤悠基選手。

彼は、昔からずっとミズノの契約で佐藤選手といえばミズノがトレードマークだったはず。しかし、時代の流れや速く走れるとされるマラソンシューズであるナイキに乗り換えてしまいました。

 

これも、MGCを獲得してオリンピックを目指すための苦渋の決断だったのかと思います。

MGC出場者がナイキを履く理由

MGC出場者の約半数がナイキのマラソンシューズを履いています。

 

なぜ?

 

速く走れるテクノロジーが詰め込まれているからですし、実際世界記録もオリンピックのメダルも全てナイキ製のシューズですよね。

さらに、世界の主要マラソンでは上位入賞者のほとんどがナイキで占められています。

 

MGC出場者のマラソンシューズ問題は過去の歴史に学ぶ必要があります。

昔オリンピックの競泳でSPEEDO社のレーザーレーサーという水着を着用しないと勝てないと言われた時があります。

契約中の日本製メーカーでは太刀打ちできず試してみると、日本記録ラッシュとなったらしいです。

 

契約上、オリンピックでは着用できないとのことで大騒ぎになりました。

皆さん、この時の騒動を覚えておられますか?

 

この時の衝撃は今でも忘れません。どうして日本のメーカーはマネしなかったのか?

技術がなかった訳ではないと思います。

ルールのギリギリラインで速く泳げる水着を作らなかった日本のメーカーにがっかりしました。

 

結果、オリンピックではほぼ全員が日本製の水着からSPEEDO社に乗り換え、メダルを獲得するという、競技を支えてきた日本のメーカーには皮肉な結果となりました。

MGCをはじめとして、今陸上界でも同じことが起こっています。

 

MGC出場者の半数がナイキ。学生時代からスポンサー契約でお世話になっていた日本製のメーカーを捨ててもオリンピックに行きたい。

MGCで勝ってオリンピックへ行きたいのは選手の本心かと思います。

 

もうナイキ製のマラソンシューズの実力は誰もが認めているところです。

競泳の2の舞にならないように、日本メーカーはマネして超えるものを作るべきと思います。

 

マネすることは恥ずかしい事ではありません。戦後の日本の復興は先進国の商品を真似してより良いものに進化させた事が大きな要因といえます。

 

アシックスはようやくそれらしきシューズを発売しましたがまだまだ、性能は未知数。

一色選手がMGCを決めるレースで履いていましたね。

 

一色選手も青山学院大学時代のアディダスからHOKA ONEONEの厚底+プレート入りシューズ試したりアシックスにしてみたり、迷走しているようですね。

 

彼ほどの実力者でも悩む。

 

MGC出場者の悩みをなくすシューズを日本のメーカーにもいち早く開発してほしいものですね。

MGC出場者のマラソンベストタイムとシューズ

MGC出場のために、選手がお世話になった契約メーカーを変えてまで走りたがる理由をマラソンベストタイムから検証したいと思います。

 

MGC出場者の自己ベストタイムの平均値です。

ナイキシューズ16名平均:2:09:15

アシックスシューズ13名平均:2:09:12

 

意外なことに、平均するとアシックスの方がタイムはいいのです。

ギリギリラインでMGC獲得した選手にナイキが多かったのも要因の一つといえます。

 

それでも、ナイキを履きたがる理由は、、、

 

やはり、トップ選手が履いていること、世界で勝っているのはナイキのシューズしかない事があげられると思います。

 

ナイキのヴェイパーフライは履きこなすのに時間がかかると言われていますが、私の知り合いの現役長距離選手によると、ある程度のレベルの選手になれば簡単に癖をつかんで使いこなせるとのこと。

MGCとマラソンシューズのまとめ

MGC出場のためにマラソンシューズを契約メーカーを変えてまで走った選手が増えていることは事実です。

 

ここ数年の主要大会の優勝者もほぼナイキ。

 

この影響かアシックスが減収減益。

 

私が、声を大にして言いたいことは、あの競泳での対応の遅れで大騒ぎになった二の舞をしてほしくない。

そして、日本製のシューズでメダルをとってほしい。

心からそう思うからこそ、少しだけ苦言も書きました。

 

9月15日はMGCオリンピック選考レースです。

いったい、彼らがどのシューズで現れるか楽しみです。

 

 

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